AIに仕事を奪われた気がするんだが
人口知能はどこへ行ったのだ
ひところ騒がれていた「AI」だが、最近は目立ったニュースを聞かなくなった。2020年はコロナ騒動で目の前の不安優先の年だったと言えよう。AIに人間が支配されるかも…といSFチックな妄想に浸る精神的な余裕は無い。
私もAIどころではなかった一人である。勤め先のリモートワーク導入以降、昼間の居場所を確保することで頭のメモリはパンパンだったのだ。
まあ、そんな悩みも積極的な家庭サービスで落ち着きつつある。リモートワークはキモは「いかに妻の機嫌がいい状態をキープするか」にかかっていると言っても過言ではない。ワイフのハートをグッドコンディションにキープ、である。
マッサージ機がやって来た
さて、私の持つ妻のご機嫌とりスキルの一つがマッサージだ。妻は身体を動かすことが好きなので、ランニングでストレス発散など行っている。走るとどうなるかというと、脚に乳酸が溜まる。そして疲れる。
そこで私の出番である。
「奥さんお疲れでしょう、脚をお揉みしますよ、ゲヘへ」
とは言わないが、日中自宅に居座り続ける負い目もあり、低姿勢でマッサージを請け負うのである。自宅にいるとはいえ、勤務しているわけだから負い目を感じる必要は無いはずだが、状況的には引きこもりなので申し訳ない気持ちになる。
自問自答しつつも家庭サービスを続けることで良い関係を気づけていたわけである。しかし、そんな日々が終わりを告げる日がやってきた。
我が家にマッサージ機がやって来たのである。
正確には「フットエアーマッサージャー」という名称で、膝下から足の指までの領域を良い感じにマッサージする機会だ。
「ウーン、プシュー、ウーン、プシュー」
締める、緩める、締める、緩める、マッサージャーは独特のリズムで緊張と弛緩を繰り返す。私は10分も持たないが、マッサージャーはエンドレス。疲れを知らないその姿はまるで機械のようである。いや、実際に機械なんだが。
「解放された」という安堵の気持ちと同時に「機械に仕事を奪われた」という喪失感が沸き上がる。もう面倒くさい労働をしなくても良くなったのに、もうオレは必要じゃないんだな!という寂しさをぬぐい切れない。
そんな不安と悩みを抱えているのは私だけではなかったようだ。
なんとあのオックスフォード大学も悩んでいたらしく、こんな記事がリリースされていた。少し古い記事だが参照したい。
英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が語る。
「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。」
記事の中には「リモートワーク中の亭主のマッサージ」という仕事は含まれていなかったが、2020年のコロナ禍の中で見事に機械に奪われた形だ。
皮肉なことに「消える職業、なくなる仕事」に挙げられている職種は、AIの発達ではなくコロナという感染症で激減してしまった。未来とはかくも予想しがたいのである。
というわけで本日も悩みはつきないのであった。
とかくこの世は悩みだらけである。
ゲヘヘ。